高電圧源のインピーダンス・電力と計測誤差    ケイテック(Ktek)2012  2014-11rev
  高電圧源の測定では、理論値よりも低く表示されることがあります。
  AC/パルスは特に高周波の場合、誤差が出やすい傾向にあります。
  パルス/AC波は高調波を含んでいますから、逆に、ある周波数で共振して大きく出ることも、大きく下がる事もあります。
  大きく下がる点(周波数)では、入力エネルギーが何処かで吸収・消費される場合もありますから、そのエネルギーで予測
 しない回路やプローブ等で損焼を招く事もあります。
  一般的にパルス/AC波等は50Ωインピーダンス**下での測定に於いて、種々の基準が決まっています。
  高電圧は、50Ωよりも遥かに高インピーダンスの数100KΩ、メガオーム上で機能している場合も多いので、基準があるようで
 無いに等しいと言えます。
  高電圧プローブ(高インピーダンス)の負荷(L/R/C:入力MΩ,入力pF,ケーブル・リード線のインダクタンス)が、
  高電圧源の回路に影響を及ぼします。   **(AUDIO系: 600Ω、TV/VIDEO系:75Ω、他に93Ω系などあり)
  
  DC源に於いてもプローブの負荷(R)の影響が出ます。5KVppに100MΩのプローブを付けると、50マイクロアンペアの電流
 が流れます。
  電力的には0.25W消費されます。高電圧DC源が0.25Wであれば、半分(2.5KVpp)以下に高電圧DC源が下がります。
  (下がった状態がプローブの出力に出て、オシロ、DMMなどに表示されます)
  少なくとも、プローブの消費電力の10倍(出来たら20倍)以上のパワーがあれば、誤差は小さくなります。
  ご理解しやすい例として、ナイロン、プラスチック製品を摩擦すると、高電圧が帯電します。
  この帯電した静電気の電圧は電力不足で、電圧計では計測出来ません。高電圧プローブでも一般的に計測は無理です。
  ギガオーム(1000MΩ以上)入力を持った高電圧プローブ(当店のDMM用のHVP-40/2GΩやHVP-3200series/1GΩ
 では可能な場合があります。
  また、この目的には非接触型(無限大の入力仕様)の高電圧プローブなどがあります。ただ、計る距離、面積などで変動
 します。
(基準になるものと、比較しての計測方法をとります)
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